なぜ自動車取得税が中古車(6年以上)でも課税されるの?

自動車取得税とは、車を50万円以上で取得したときにかかる税金です。

自動車取得税は、消費税10%導入後に廃止され「環境性能割」が代わりに導入されます。

【消費税増税と同時導入】環境性能割とは?

 

自動車取得税が中古車(6年以上)でも課税されるの?

基本的に中古車は「6年以上」経過すれば非課税レベルまで車の価値が下がります。

しかし、ごく一部例外になるケースがあります。わかりやすく解説します。

 

新車購入の場合

車両標準価格✕税率

この取得価格のベースになる「車両標準価格」は一般非公開データです。インターネットで検索しても出てこないのはそのためです。

 

中古車の場合

自動車取得価格✕残価率✕税率

で計算します。

 

残価率は下記の年数ごとに変化します。

 

普通自動車の残価率

経過年数

残価率

1年

0.681

1.5年

0.561

2年

0.464

2.5年

0.382

3年

0.316

3.5年

0.261

4年

0.215

4.5年

0.177

5年

0.146

5.5年

0.121

6年

0.100

軽自動車の残価率

経過年数

残価率

1年

0.562

1.5年

0.422

2年

0.316

2.5年

0.237

3年

0.177

3.5年

0.133

4年

0.100

 

中古車の自動車取得税の計算方法

【車の残価の計算方法】

自動車購入価格(オプション含む)×残価率=取得価額

※ 1,000円未満は切り捨て計算

 

【自動車税の計算方法】

残価率から計算した「取得価額」に税率を掛け算します。

普通自動車

取得価額×3%=自動車取得税

軽自動車

取得価額×2%=自動車取得税

この計算で「50万円以下」の場合は自動車取得税は非課税です。車購入時の「オプション」も取得価格に含まれます。そのため、「オプションは車購入後に改めて実装する」ほうがお得になります。

 

中古車を2年で購入した場合の取得税シュミレーション

200万円の中古車(普通自動車)を2年落ちで購入した場合

200万円✕0.382≒76.4万円

76.4万円✕3%(税率)=22,920円

自動車取得税は22,920円

 

100万円の中古車(普通自動車)を2年落ちで購入した場合

100万円✕0.382≒38万円

50万円未満なので、自動車取得税0円

 

100万円の中古車(軽自動車)を2年落ちで購入した場合

100万円✕0.316≒31.6万円

50万円未満なので、自動車取得税0円

上記のように、このくらいの価格帯なら、実際は6年以上経過する前に自動車取得税非課税になるケースがかなり多くなることがわかります。

 

中古車購入時の自動車取得税で注意が必要なのは、高級車の場合です。

 

自動車取得税「中古車(6年以上)」の税金

中古車の自動車取得税は、初年度登録から6年以上の経過していれば非課税。

軽自動車の場合は、4年以上で非課税。

・・と覚えている方が多いのですが、一部例外になる場合があります。

 

例外になるのは、新車評価額500万円以上の車(高級車)です。6年以上経過しても50万円以下にならない場合が稀にあります

その場合は、下記の表の償却率で半年ごとに減価償却します。

残価率が10%となってもなお残価が50万円を超える場合には、50万円以下に達するまで0.5年ごとに減価償却するものとする。なお、減価償却率は、次に掲げるところによる。

区分 (耐用年数) 償却率

6年

0.319
5年  0.369
4年 0.438
3年 0.536

引用:自動車取得税における通常の取引価額について

 

さらに、自動車取得税は「都道府県税」ですので、都道府県で少し違いがあることがあります。

 

車両標準価格の例外

例えば、長崎県の輸入車は「車両販売価格」を課税標準額にしている・・などという例外が、極稀にあります。

ただし、通常の中古車販売店経由で購入すれば、自動車取得税の処理は自動で代行してくれます。

例外で、「親子」や「知人」で車を譲渡した場合、お金のやりとりはないのですが、車の価値そのものが残存している場合、自動車取得税の課税対象になります。

ヤフーオークションなどの個人売買での、名義変更のタイミングでも税金が発生する場合があります。

また、業者オークションで車を購入した場合も、名義変更のタイミングで税金が発生することがあります。

 

10年落ちの中古車は、ほぼ間違いなく非課税

とりあえず、10年以上経過している場合は、ほぼ非課税です。

例えば、1億円の価値がある車であっても、10年経過すれば自動車税は50万円未満になります。さすがにもう自動車取得税はかかりません。

 

自動車取得税はローン完済時どうなる?

車のローンを完済した時に、自動車の「名義変更手続き」をします。

このときに自動車取得税がかかると、たまに言われる人がいます。しかし、それは間違いです。すでに自動車取得税は支払い済みです。

そのため、ローン完済時の「名義変更」時に、自動車取得税は発生しません。

「ローンの完済による取得」では自動車取得税は発生しない。

反対に、それ以外での「名義変更」では、自動車取得税が発生します。

 

しかし、この場合も「車の残存価値」が、上記計算で50万円未満なら課税対象外となります。

 

自動車取得税は廃止されます

消費税が10%に上がるタイミングで、この「自動車取得税」は廃止予定です。

そして新しく「環境性能割」という”環境に優しいエコカーなどの税率が安くなる制度”に置き換えられる予定です。

そのタイミングでエコカー減税なども見直される可能性があります。詳しい情報が入り次第、改めて解説します。

 

>>自動車取得税に代わる環境性能割とは?

 

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